C。新しい動脈硬化戦略とガイドライン
1.意外な盲点・・・梗塞は何に由来するのか?
梗塞が実際に起きる病態を考えてみますと、単純に粥状硬化症によりだんだん閉塞していくのでないということがわかってきました。むしろ、閉塞率が50%未満の血管において、つまり閉塞の程度としては軽い部類の効果状態で、
プラークが「破れて」
心筋梗塞になってしまうことが70%から68%あることが知られてきました。
すなわち、梗塞を防ぐ場合は、動脈のプラークの破綻を防ぐことがポイントとなってくるわけです。具体的には、プラーク表面をカバーしている繊維性皮膜を以下に丈夫にするか・安定させるかということになります。
こうしたことから、現在の高脂血症剤によって、単にLDLコレステロール値をさげることだけで、プラークを減らし動脈の梗塞を予防戦略は、そんなに効果がないはずです。実際、こうしLDL減量効果しかない薬物療法の成果は、量を下げていく段階で、一定限度に至るとプラトーとなってしまいます。結局プラークが安定化することの効果を考慮する必要があるということになります。
2.スタチンの効果とは・・・
総コレステロールが200mg/dlでも心筋梗塞を起こすことがあります。この背景には、個人差があります。その対象者が他のリスクを多く持っているわけです。イギリスにおけるハートプロテクションスタディでは、リスクが3つ以上あることが知られています。
そうした200mg/dl未満でもリスクを持っている対象者でも、高脂血症の薬物であるスタチン投与で良好な状態になることがあります。こうしたことも、スタチンが、コレステロールに関係なく投与意義あることを示唆します。
スタチンこの場合フラバスタチンですが、治療効果は6ヶ月目から出てきます。一方、単にコレステロールを下げるだけの効果しか期待できないコレスチラミンでは、効果出現まで2年もかかるかかるわけです。オーバラップスタディでは、対象者のLDLコレステロールが同じですが、スタチンで治療した分では、コレスチラミン治療群に比べて30%リスクが減少したということです。
フラミンガムモデルによる予測曲線の比較でも、コレスチラミン治療群では、プラセボ群とおなじ様な曲線が引かれるに比して、フラバスタチン群では、「ずれ」が生じます。
また、血圧のコントロールをあわせてコレステロールをコントロールしなければならない脳卒中予防においても、スタチンのみ可能であったという報告があります。
3.スタチンの多面的効果
この様に、スタチンには多面的効果が期待できるわけです。現在、認められたり検討されたりしているのは、
| 1)内皮細胞機能の改善作用 2)抗酸化作用 酸化LDLの減少=プラーク破綻へのイニシエーションを さける 3)抗炎症作用 プラーク破綻を導くサイトカインの減少 4)繊維性皮膜増強作用 マクロファージが減る,MMPが減る、コラーゲン分解 酵素の効果を下げる 5)抗血栓作用 PAP1減少させ、血小板凝集を抑制 6)平滑筋細胞増殖抑制作用 ただし、この作用についていえばプラークが有る程度 伸展して動脈粥腫のラプチャーでは不利 コラーゲン産生も押さえられるので、あまり押さえない方がいい |