D。高脂血症治療の要点
1.コレステロールを下がって治療はやめられるか

 スタチンの効果はこの様に期待されるべきものですが、臨床の場でもう一つ問題となるのは、コレステロールが下がれば、治療はやめられるかという点です。多面的な効果があるということは、単にコレステロールを下げることが、治療効果の最大目的ではないわけですので微妙です。
 プラバスタチン投与におけるスタディでは、治療を続ければ続けるほど、その臨床効果は続くため、実際のところ治療はやめられないという結果になっています。

スタチンでの多面的効果の比較
 別表をご覧ください 
            

2.コレステロールは低ければいいか
 コレステロールは単に下げればいいかという点について、検討する余地があります。

 中年の男性を中心とした12年間フォローのスタディMRFITでは、総コレステロール値180mg/dlまで下げることはいいが160mg/dl未満で死亡率が増えることが発表されています。これは、むしろ低蛋白が原因で脳出血が起きること(低コレステロールで脳出血が増えることはありません)や、患者のバックグラウンドが悪いことにより、呼吸器感染症が増加しやすい傾向となるからです。特に低すぎる場合は癌等を考慮する必要もあります。LDLコレステロールが80mg/dl未満(正常値より50%以上)低下しているしている場合、潜在性の癌の存在がありますので、「下がりすぎたら癌を探せ!」ということになります。総コレステロール値が200mg/dl未満と280mg/dl以上のリスクを比べると、前者がリスク高いことがわかっています。4年たつと200未満の方がリスクが高くなるとの報告があります。

3.フラバスタチンの優位性
 フラバスタチンはスタチンけいのなかでも汎用されている薬剤ですが、それには
  副作用がすくない
  唯一の水溶性
  相互作用を起こしやすい

ということがあります。相互作用が少ないのは、薬物代謝系であるチトクローム系におけるバイオアベラビリティによるものと考えられています。対象とする薬物代謝酵素が同じ場合、競合することにより相互作用が生じるわけです。

4.治療のヒント
1)a型高脂血症の薬物療法
 高度の場合   スタチンとコレスミドの場合は、スタチンを眠前にします。
2)b型高脂血症の薬物療法
 重症の場合、スタチンとフィブラートの併用は注意する必要があります。筋肉融解症起こしやすいく、当然腎障害のある場合は、こうした併用は禁忌です。スタチンそのそのものは筋融解最も少ない薬です。どうしても場合は、
  フルバスタチン +少量フィブラート リパンチル100mgの併用
が勧められます。



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