クリニカルパスの事例
   ペンシルバニア大学病院の例

 クリニカルパスは、運用し分析し、改善していくことにより真価を発揮します。ここでは、ペンシルバニア大学病院の事例を元にクリニカルパスの実際について説明していきたいと思います。
 ペンシルバニア大学病院では、34種類のクリニカルパスを運用しています。現在では、これ以上のパスを増やす予定はないようです。外科系のパスが多くみられ、内科のパスは受け入れられていません*。

 クリニカルパス導入のポイントとして5つのポイントが上げられました。
1.作成導入時における医師の関与
 2.関連職種すべてがチームを組む
 3.患者を巻き込む
   患者用資料の作成や患者満足度調査の実施など
 4.バリアンスの収集と解析
 5.管理部門による支援

 具体例   頭頚部がんのクリニカルパスの場合
 このパスは、1995年に導入されました。導入の理由**は、高い再入院率、長い平均在院日数、一症例あたりのコストが高い、抗生剤投与などの重要な部分が不統一、患者満足度で改善の余地がみられた、ケアコーディネーションの必要性が高いことです。
 チームの構成は、医師5名、薬剤師1名、理学療法士4名、言語療法士2名となっています。

 
  クリニカルパス導入前 クリニカルパス導入後
再入院率(退院後14日後) 17% 6.1%
平均在院日数 16.4日 10.3〜6.5日
一症例あたりのコスト 105410ドル 26000ドル
投与薬剤 重要な部分が不統一 標準化
患者満足度 改善の余地がある 改善
管理体制・医療内容  → 異なる領域間のコミュニケーションが向上
時期をえた治療の開始
医療の質  → 合併症の発生率、院内死亡率は不変
=平均在院日数減少から→医療の質は向上

筆者注)
*これは、クリニカルパスの導入に際して、その目的を明確にして行われ、実施後もしっかりとした分析が行われている結果であると思います。クリニカルパスという手段が目的ではないからです。
**これらがはっきりした導入理由があり、しかも、具体的な問題のある項目について評価されていることも大切なポイントです。



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