10. パスの失敗例、パスがうまくいかないときとは・・・

 クリニカルパスは万能でしょうか?何の欠点もないのでしょうか?
 答えは残念ながらノーです。導入するための技術的・方法論的な失敗例もありますが、本質的な失敗もあります。
 たとえば、肺炎を扱っているパスは代表的なものです。あまりにも、一般的な病気であり、多くの医師が係わり、パスのコンセンサスが得にくい状態となりました。
また、様々な経過をとる内科系の病気は、外科対象となる病気と比べて定型的なやり方が通用しにくいことは容易に推測されます。こうした、病院では、結局、紙一枚にして最小限守ることのみを列記にとどまっています。


11. アメリカの現状
        
・・・クリニカルパスが先行しているところでは・・・

 医療システム全体とみた場合、日本がアメリカと比べて、著しく遅れているというわけではありません。むしろ、一部システム(オーダリング等)は、急速に普及しており、先行しているところもあります。
 しかし、歴史的経過から、その中身はかなり異なっています。
 アメリカでは、電子カルテもクリニカルパスを意識している形で導入されています。たとえば、オーダリング画面とパス画面がリンクしています。コンピュータによるオーダーエントリーを導入しているため、クリニカルパスに関するオーダーを端末から行うことができつつあります。
 そのため、従来のオーダーシートと一体化したクリニカルパスではなく(今日本ではこれがよく行われてる形です)、表裏一枚の簡便なものに移行中です(ペンシルバニア大学の例)。

 逆に日本の場合、オーダーリングシステムの導入は進んでいますが、オーダリング画面とパス画面がリンクしていることは希です。それは、クリニカルパスはもともと病院個別のものという性格が強いため、パッケージとなじみにくいことが原因です。


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