9.メーカー選定
8.で規定した仕様に基づいて、メーカーからの提案書を精査し、提案書では わからない点をヒアリング等の実施を通して確認します。
メーカー見積り額が妥当であるかどうか(特に、カスタマイズ費用の算定工数の論理的生産性を検定する必要があります。)をチェックし、病院にあったコンセプトをリーズナブルな価格で実現可能なメーカーを選定する必要があります。

10.仮発注、本契約
選定したメーカーと仮発注契約を結び、システムの基本設計を行います。 (システムコンサルタントを入れておられるところでは、すでに基本設計書 は出来上がっていますのでこの工程はほとんどゼロとなります。)
ここでは、メーカーと病院とでシステム運用の検討、システム仕様の検討、各種自動化機器の検討、各種端末の設置場所・台数の検討を行い、それをもとに、メーカーの最終見積り額と正式な導入工程が示されます。その内容を精査、承認のうえ、本契約を結びます。この工程では、1〜8までに実施した事前準備が生きてきます。メーカーは、できる限り作業工数(プログラム作成時間やシステムを作ったり導入する作業の時間)を少なくするために、(パッケージをそのまま使わせようと)様々なアプローチをしてきます  (例:「ご要望どおり変更は可能ですが、この部分のカスタマイズは費用が高くつきます。」  「ご要望事項は、現状の技術では困難です。」 「この仕組みを入れると全体システムの整合性を保証できません」等々。)論理的なアプローチについては傾聴の必要がありますが、システムの根幹となる部分については安易な妥協は避けるべきです。ここでも、システムについての深い造詣が病院サイドに要求されます。

11.システム設計、開発、テスト
10.の工程で承認した内容についてシステム詳細設計、プログラミングを実施します。開発の終わったものはそれぞれ、単体テスト、統合テスト 、システムテスト等を実施いたします。
ダミーデータの提供、 実データでのテスト、シュミレーション等、納得のいくまでテストの実施とそこで起こった問題点の迅速な解決が必要です。
ここでは、メーカーSEとの詳細な仕様の決定、工程の管理等を実施し、必要な機能の抜け落ちがないかどうか、順調に本番稼動へ向けて開発が進んでいるかどうかをチェックが必要です。

12.その他
 1) 各種マスタ設定、マスタ設定内容の確認
 2) 伝票・帳票設計
 3) 訓練
   ・ 端末操作訓練
   ・ システム運用訓練
   ・ 部門別運用操作の訓練 
 4) システム運用マニュアル
 5) システムダウン対策マニュアル
 6) アプリケーションマニュアル
 7) ハードウェアマニュアル
 8) 各システム毎の取扱説明書
 9) 保守マニュアル

13.職員教育

システム導入の際、最近話題となっているのは、現場で実際のコンピュータの操作が一定レベル以上で出来るかどうかというスキルです、そのため、職員教育は大変重要なポイントとなります。

実際の職員に対するコンピュータ教育については、大きく二通りに分かれます。
1) OA研修
  
職員へのコンピュータそのものに対する教育です。 (比較的若い世代以外は、コンピュータに触ったことのない職員は意外に多いものです)

2)アプリケーション研修
  今回導入するシステムそのものの操作方法に対する教育です。

後者は原則として当該システムの納入メーカーの責任で実施しますが、 前者は病院の責任で実施すべき項目です。なるべく早く始めたほうがいいでしょう。 職員のスキルが低いと、どんなに素晴らしいシステムを導入しても、その持てるポテンシャルを十分に引き出すことができないばかりか、部屋の片隅で塵に埋もれてしまうことすらあります。コンピュータ教育を専門業者に 依頼するという方法もありますが、費用面から、できることなら、病院内のメンバーで実施された方が良いと思います。

 1) 職員のコンピュータスキルの調査
 2) 教育チームの編成
 3) 目標の設定
 4) 教育実施
 5) 3)〜4)のくり返し

14.検証
 1) ファイル移行検証
  現行システムからデータが正しく移行されたかどうかを検証
 2) システム動作保証
  実データによる実際の設備を使った環境でのシュミレーション総合テストにて出力した結果(レセプト、請求書、統計等)についての検証

15.本番稼動、稼動評価
 いよいよ、本番稼動です。ここでは、本番稼動状況をチェックし、問題発生状況の把握とその対策を講じます。しばらくの間(通常1-2ヶ月程度)は、メーカーSEが常駐しています。現場からのクレームやトラブルに迅速に対応することは、業務を進めていく上だけでなく、システムのための職員の信頼性を高める意味でも重要な点です。この間に当初の内容どおりのシステム構築ができているかどうかを検証します。すなわち、システムの検証作業には、ある一定の時間が必要と考えてください。

16.メンテナンス、運用管理
本番移行後は、ハードウェア・ソフトウェアの保守管理と稼動しているシステムの運用管理が必要です。
保守管理は、導入メーカーとメンテナンス契約を結び、メーカーに委託するのが一般的です。
システムの運用管理は、サーバー等の日常チェックをはじめ、データのバックアップ、各種マスターの設定等のほか、プリンターの紙づまりやトナー交換等多岐にわたる大切な仕事です。外部に委託することも可能ですが、最低限一人は病院職員を充てるほうが良いと思われます。その際、システム導入の過程で育った(育てた)院内のシステム業務の専門職員が大きな意味を持ってくるでしょう。


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